グンディス(32歳)、エラ(28歳)、ベベ(19歳)の姉妹は家族で経営する海辺のブティックホテルを切り盛りする毎日。同居する祖母の望みは孫娘たちに理想的な婿を見つけること。ことは上手く運ばないのだが、祖母は諦めずにいい男を探し続ける…。
『アリサン!』2部作など、インドネシア映画にLGBTもののジャンルを導入した先駆者といわれる女性監督ニア・ディナタが新作に選んだ題材は、1956年に公開された“インドネシア映画の父”ウスマル・イスマイル監督『三人姉妹』の現代版。
60年前、ウスマルはハリウッド視察ののちにインドネシアには珍しいミュージカル映画を撮り上げたのだが、彼を敬愛するニア・ディナタは舞台を現代のインドネシア東部に移しつつ、婿探しに邁進する祖母のキャラクターはオリジナル版をそのまま踏襲するなど、先達へのオマージュとリメイク時の工夫の双方がうかがえる。なお、インドネシアでは本作の公開と合わせて1956年版もデジタル修復・公開された。
【Q&Aレポート】『三人姉妹』監督、インドネシア映画の巨匠の名作をリメイクした意図を明かす(東京国際映画祭)
【シンポジウムレポート】「インドネシア未来図~女性映画人は語る」(国際交流基金アジアセンター)
【シンポジウムビデオアーカイブ】登壇 ニア・ディナタ(『三人姉妹(2016年版)』監督)、カミラ・アンディニ(『ディアナを見つめて』監督)、モーリー・スリヤ(『フィクション。』監督/原案)ほか